春の季節の健康と養生・セルフケア

 

 

春の季節におすすめしたい美容と健康維持3つの心掛け

「陰」から「陽」の気へ。万物が目覚める季節

自然界では、真冬の陰盛(陰の気が最も盛んな事)が過ぎ、春の季節から「陽」の気が盛んになっていきます。(「陽」の気が最も盛んなのは真夏です)

それにともない大地に静かに隠れていたものは活発に動き始めます。

私たち人間も、心身ともにエネルギーを外に向け開放するイメージで伸びやかに活動を始めましょう。

 

春の養生法は沢山ありますが、その中で美容と健康の為に「これだけは!」と言うものを3つご紹介していきます。

 

キーワードは、

「気の転換」

「新陳代謝」

「肝の養生」

 

気負いなく実践できるものなので、ぜひ取り入れて頂きあなたの健康に役立てていただければ幸いです。

 

 

① 春は「陰から陽へ」のシフトチェンジの季節

 積極的な日光浴のススメ

 

 

冒頭でも述べましたが、冬の「陰」の気から「陽」の気へ『シフトチェンジ』するのが春です。

いかにスムーズに切り替えていくか!?が大切になってきます。

 

そこで一番オススメなのが、日光浴。

あなたの中に目覚め出している「陽」の気は、太陽光を浴びる事により無理なく自然に育っていきます。

 

気というものは、急に強くなり過ぎても、弱過ぎても体に不調をもたらします。

 

 

木の芽立ち

「木の芽立ち」「木の芽時」と言う言葉を、耳にされた事はありますか?

この「木」を「気」とかけて、春先の心身の不調を言われる治療家の方もいらっしゃいますが、自然界には動植物たちの様々な「気」(エネルギー)が一斉に湧き立ち出しています。

 

それに体が順応出来ず、心身ともに不調が出やすいのです。

プチうつ、イライラ、倦怠感といった精神的なものや、胃腸の不調、のぼせなどなど…

 

以前の治療院では、実際こんな事がありました。

70代のAさんは5月の初旬に家族で植物園に行かれました。

その時、植物園の亜熱帯ゾーンに行き植物に囲まれて一時を過ごしましたが、帰宅前から調子を崩されたそうです。

 

慣れない土地の強い気で、体調が乱れた例ですね。

 

身体は急激な変化に一番ストレスを感じます。

また、適応するのにかなりのエネルギーを使うのです。

 

ですから、徐々に自然に育てていく事が大切なのです。

 

春の季節の朝は、なるべく早起きして天のパワーである太陽をいっぱい浴びて、徐々に「陽の気」を育てましょう。

 

 

ビタミンDの働き

「日光浴」は身体にとって、素晴らしい効果が他にもあります。

その中の一つが、ビタミンDの活性化です。

 

ビタミンDとは、人間が体内で合成できる珍しいビタミンです。

ビタミンDが、あなたの体にもたらす働きは、

・骨を丈夫にする

・抗菌効果

・免疫力増進

・血圧を安定

・血行促進

・情緒面での安定

・記憶力、認知症予防

など、とても心強いものばかりです!

 

そんな頼もしいビタミンDは、別名「太陽ビタミン」とも呼ばれる程、体内合成には太陽光が必要なのです!

冬場は日照時間の少なさから、骨が弱くなりがちな季節です。

補う様に、積極的に日光を摂取していきたいものです。

 

更にこの時期は特に、自身の免疫力を高めていたいところです。

合わせて、ビタミンDの必要性を感じます。

 

 

美人は夜つくられる

「美人は夜つくられる」と言う言葉がありますが、睡眠中に新陳代謝や、ホルモンの働きで細胞が元気なものになるのです。

健やかな睡眠の為に欠かせないのが、「メラトニン」と言われるホルモンなのですが、この「メラトニン」、日中分泌された「セロトニン」を材料につくられます。

 

朝の太陽の光を浴びると「セロトニン」が発生します。

夜になると、「セロトニン」を材料にして「メラトニン」が発生します。

結果、私たちの身体は健やかな睡眠となるわけです。

 

この事からも、春は積極的な日光浴をオススメしたいのです。

 

 

 

 

 ②しっかり水を飲む

 

 

春は芽吹く季節ですが、体の新陳代謝も活発になります。

先程のビタミンDの合成には、太陽光が必要でしたが、新陳代謝に必要となるのが水です。

 

新陳代謝とは、「古いものを壊し、新しいものを作る」とイメージしてみて下さい。

「新陳代謝=若返り」と言う方もいらっしゃいます。

 

身体の新陳代謝は夜間、活性化します。

その時、水分が不足すると、上手く新陳代謝が行われず若返りのタイミングを逃してしまいます!

これは非常に勿体ないですね。

 

就寝前の水の補給は、とても大切です。

 

 

デトックス

春の季節は、冬に溜めた毒を出す季節でもあります。

「毒をもって毒を制す」と言う言葉がありますが、春の自然界には、「蕗の薹(くきのとう)」だったり、「土筆(つくし)」だったりと、少し苦味が強いもの、アクのあるものが出てきます。

 

これは、アクを食べる事で、冬場に溜めたアクを出せる様になっているのですね。

この様に、春はデトックスの時でもあります。

 

しっかり水が必要な理由はここにもあります。

身体の毒素を出すのは、汗や尿といった排泄物になります。

その時、身体の水分が十分では無いと、身体の水分を排泄に回せないのです。

1日2リットルが目安です。

 

「気」のところでも触れましたが、これも急にではなく、1日かけて、こまめに摂取するのが身体に負担をかけずに良いです。

最近、足がつりやすい。目がピクピクする。

などの症状はありませんか?

じつはこれ、体の水分不足のサインの一つです。

目安にして下さい。

 

 

 

③春にオススメ食事

 

 

最後に、春にオススメの食材をあげてみます。

春には芽を、夏には花を、秋には実を、冬には根(根菜)をが、食生活の基本と言われます。

 

春の芽と言えば、ふきのとう、タラの芽、わらび、つくし、たけのこetc…

また、デトックスの所でも触れましたが、これらはデトックスにも役立ちますので、旬のものは経済的でもありますし、積極的に取りたいものです。

 

春は五行説でみると、肝臓に当たる季節です。

五行説(五行思想)〜東洋医学の自然哲学思想とは…

 

しかし、肝が担う自律神経が過剰に働き、不調や気の停滞なども現れやすくなります。

そこで春の食養術として、肝臓を補助する作用があるもの、気の巡りを良くするものがオススメです。

 

 

「肝」を補う

・イチゴ

春が旬の苺。

多くの方に愛されているのではないでしょうか?

まれに酸っぱくて、苦手なお子様もいらっしゃるでしょうが、実はこの「酸味」が肝臓を労ります。

 

・ナツメ

こちらはあまり、馴染みがない方が多いでしょうか?

ナツメは中国からアジア西部に多いクロウメモドキ科で、落葉樹の低木。

ひめりんごの様な実です。

漢方ではよく取り入れられる食材で、あの楊貴妃も美容と健康の為にか、1日3粒食していたと言われています。

アンチエイジング効果と共に、「肝」を補う働きがあります。

更に、鉄分→貧血予防亜鉛→生殖器の働きにも大きな効果ビタミンB→生命力の活力葉酸→赤血球の造血を助け、若さを維持するのに必須などと言う嬉しい効果が。

五行の対応では「脾」にあたる果実です。

季節の変わり目にも、もってこいの果実です。

含まれるパテトン酸はビタミンCの働きを助け、ホルモンバランスを整え、アレルギー症状を抑制する働きもあるので、辛い花粉症予防にも役立ちます。

スーパーや、インターネットからも購入できるので、是非お試しになってみるのはいかがでしょうか?

 

・チンゲンサイ、ほうれん草などの青野菜

「気」を補う、整える・ネギ、ニラ、ニンニク「陽」のパワーを補います。

風邪対策や健康増進の働きも。

 

・香りのある野菜(よもぎ、ミツバなど)

「気」の流れを整える働きがあります。

 

 

 

まとめ

春は新しいことを始めるのに、最高の季節です。

何かを始めたい方、養生生活のスタートはいかがでしょうか?

春の養生は快適な夏に繋がり、秋に繋がり、厳しい冬を乗り越える体に繋がります。

ですから、春の養生生活スタートをお伝えしたいのです。

春しっかり陽のパワーをあげておかなければ、夏にパワー不足となり、体が温まらない、夏の不調を起こしやすくなる可能性もあります。

 

まずは、「日光浴」と「十分な水の補給」を、養生のキーワードとして、ぜひ健やかで美しい身体を育ててあげて下さい。