第10回〜ハートは腸にある!? 最新の腸常識。

 

 

人はみんな、体と心で生きています。

そんなこと、当たり前でしょ?

と思われるかも知れません。

 

体に不調があると心もふさぎがちになるし、心が追い詰められると体にも症状が出てくることがあります。

分かってますよ、両方大事なんでしょ?

と思われるかも知れません。

 

けれども、風邪や発熱などの体の症状にはすぐに反応して、病院に行ったり薬を飲んだりする人も、

心の不調にはつい目をつぶってしまったり、あきらめたり、後回しにしたりすることって、多いと思いませんか?

 

 

 

心を元気にするために、心の正体を知ろう。

 

悩みの大きさと問題の大きさは関係ない!?

 

心の問題をつい深刻に捉えてしまい、自力では対処できないものとあきらめてしまったり、なるべく目を背けて先延ばしにしてしまったりすることは、誰しもあると思います。

 

なぜならば、心の不調の原因は、多くが対人関係や置かれた環境、経済的な要因によるもので、自力で今すぐ簡単に、変えられないことが多いからでしょう。

 

 

気持ちの落ち込みは、そう簡単に解決しない。

それが、わたしたちの「当たり前」になっているのではないでしょうか。

 

しかし、人が悩んだり苦しんだりするいちばんの要因とは、

恋が実らなかったことや

社内の対人関係がうまくいかないこと、

お金がないことや、

家族の病気のこと

など、対外的なものではないのです。

 

なぜならば、人の心の耐性には個人差があるから。

 

 

何があってもくよくよ落ち込まず、すぐに気持ちを切り替えて前進し始める強さのある人と、ちょっとしたことで立ち止まって動けなくなる打たれ弱い人。

1億円の借金があっても前向きに返済を考えられる人と、100万円の借金でも「もうダメだ!」と諦める人を比べると、悩みの大きさって外的要因の大きさとはあまり関係なさそうに思えてきませんか。

 

 

では、悩みを抱えて苦しむ心や、試練にあっても「大丈夫! 私はがんばれる!」と立ち向かう勇敢な心は、どこにあるのでしょうか。

 

昔から、「心の動き」は「脳の動き」だと思われてきました。

考えるのも悩むのも、脳の仕事だからです。

 

 

しかし、

人が生きる上でもっとも重要な「幸福感」を司る神経伝達物質「セロトニン」は、その90%が小腸で生成されることが分かったのです

(残りは血中の血小板で8%、脳内で2%作られています)。

 

 

セロトニンは、興奮物質であるノルアドレナリンやドーパミンの暴走を落ちつかせてるはたらきを担っています。

そして、気持ちを穏やかにし、やる気を起こさせたり、すっきりと目覚めさせたりすることで、前向きさや幸福感を高めるホルモンです。

 

通称「しあわせホルモン」とか「ハッピーホルモン」と呼ばれていることは、よく知られていますね。

 

このセロトニン、腸管の蠕動(ぜんどう)運動を活発にするはたらきも持っています。

なんと、うつ病患者には便秘や下痢の人が多いというデータもあるそう。

 

 

心の健康と腸内環境は、深いつながりを持っているのです。

今では腸内の環境が整うと、精神も安定すると考えられています。

 

実は、心って「ほぼ腸」だったのです!

 

 

 

心は腸だから、食べると元気になるんです!

 

ヒト以外の動物は、自分でビタミンCを作れるらしい

 

悩みを引き起こすさまざまな外的要因や問題そのものは動かせないとしても、気持ちの落ち込みや塞ぎ込む時間を減らすことは、腸を大切に整えていくことで物理的に可能だということがわかりました。

 

食事内容を見直してバランスを取り、適度な運動や十分な睡眠を心がけて生活習慣を改善すれば、腸は元気になります。

 

善玉菌を増やすために、乳酸菌や発酵食品を摂れば、もっと元気になります。

※すらっとちょう美人コラム〜「第3回〜その数、400種以上! 乳酸菌を知ろう」

 

 

さらに、血中のセロトニンは日光を浴びるだけで分泌されることも分かっています。

 

朝起きたらまずカーテンを開けて、体いっぱいに陽射しを浴びてみてください。

 

 

天気の良い日はチャンスです。

時間を見つけて、少し散歩をしてみましょう。

 

外で深呼吸をするだけでも、セロトニンの分泌量は増えるはずですから、やるとやらないでは気分が全然違います。

気持ちを前向きにするために、実はとても簡単にできることがたくさんあるのです。

 

 

また、ビタミンCが不足することでも腸内細菌が減るため、病気を招きやすくなることが分かっています。

世の中のほとんどの動物は、体内でビタミンCやビタミンBを作ることができるのですが、ヒトは新鮮な野菜や果物を食べる生活を続けたことで、その能力を失ったと考えられています。

 

ですから、長期間新鮮な野菜や果物を食べない生活を続けると、ビタミン類が不足します。

ビタミンは脳内伝達物質の合成にも関わっているので脳が十分に働くことができなくなります。

 

 

実は、ビタミンの合成には腸内細菌が欠かせません。

ビタミンを摂らないと腸内細菌が減る。

腸内細菌が減るとビタミンが合成されない。

ビタミンが不足すると脳の機能が低下する。

そんな悪循環が起こることで、イライラしたり怒りっぽくなったりしやすくなります。

 

ここでも、食生活を整えることが心を安定させることが分かりますね。

 

 

 

腸内細菌が減る、精神的な原因。

 

NASAは40年以上前からストレスと腸内細菌の関係を研究していた!

 

アメリカNASAの研究で、

人は極度の不安や緊張状態にあると、腸内に悪玉菌「バクテロイデス菌」が増える

ことが分かっています。

 

一方で、善玉菌「ラクトバチルス菌」などは減るのだそうです。

 

 

日本では、阪神淡路大震災の前後に腸内フローラの変化を調べたデータがあります。

 

震災後には排泄物からカンジダやシュードモナス菌が増えていた。

つまり、心身のストレスが悪玉菌を増やすことが分かったのです。

 

精神的に不安を抱えていると、それだけで腸内フローラが乱れて悪い状態になるということです。

 

 

「ストレス」というのは、カナダのハンス・セリエという生理学者が提唱した学説です。

 

正確に言うと、

心が感じるほうが「ストレス」で、その要因が「ストレッサー」。

「人間関係がストレスで…」というのは、正しくは「人間関係がストレッサーで…」というわけです。

 

ストレッサーには3種類あるというのが、セリエ氏の論。それは疲労・不眠・栄養不足などの「生理的ストレッサー」、温度湿度・騒音などの「物理的ストレッサー」、家族の死や病気・経済的困窮など「社会・心理的ストレッサー」の3種です。

 

 

このようなストレッサーがかかったとき、ヒトの体は「全身適応症候群」という適応反応をし、胃潰瘍やリンパ節の萎縮を起こすと言います。

 

一見遠く見える脳と腸は、密接にやり取りして人を動かしています。

そしてこのやり取り、実に一瞬なんです。

 

文字を書かないとすぐに忘れてしまうように、脳は使ってあげないと退化することはよく知られていますが、

脳と直結している腸も同じで、その働きを低下させると脳も老化してしまうそうです。

 

 

お年寄りが入院した途端に認知症を発症することがありますが、体を動かさなくなり、口から食事を摂らず点滴に頼るようになるなどして腸の活動が弱まり、脳への刺激が減ることが原因だと考えられます。

 

心の問題は腸の問題。

 

そして腸は体の入り口。

切り離して考える方が不自然だということが、どんどん立証されてきましたね。

 

毎日お風呂で体をきれいにするように、洗顔の後は保湿をして肌を守ってあげるように、心のケアも毎日必要だということが分かります。

 

それは難しいことでなく、陽射しを浴びたりバランスの良い食事をしたり、乳酸菌サプリメントを飲んだりといったちょっとした習慣でも良いということが分かりました。

 

生活を整え腸内環境を万全にしておくことで、ストレッサーに対して強くなれれば、心軽やかに活き活きと過ごせる上に、ストレス性の病気にもなりにくくなる

ということがお分かりいただけたと思います。

 

 

最初に申し上げた「人は心と体で生きています」という、ごく当たり前の言葉が、より説得力を増しませんか?

 

本当に、

心と体はワンセットで、心が体をむしばむこともあるし、逆に心を物理的に動かす

ことだってできるんですね。

 

野菜を食べる、温かいものを飲む、陽射しを浴びる、軽い運動をするなどの小さな一歩一歩が、感情をコントロールする穏やかな人生に、つながっていくのかも知れません。

 

 

さあ、次回も、もっとハッピーに笑って生き抜くための、乳酸菌と腸活のお話をお届けしますので、どうぞお楽しみに。