第23回〜あなたの乳酸菌はどこにある?
乳酸菌って、何でしょう?
それは、“ブドウ糖や乳糖などの糖類を発酵してエネルギーを作り、多量の乳酸を作る菌”の総称、つまり一種類の菌の名ではないのですね。
では、乳酸菌と呼ばれる菌は、何種類くらいあるのでしょうか。
実は、その数400種類以上!
それぞれに、どのような役割があるのか、
今回は詳しく調べて参ります。
属と、種と、株と。乳酸菌の名前は複雑!
ヒトの体内には、たくさんの乳酸菌が常在菌として棲んでいます。
これらは「善玉菌」と呼ばれ、24時間つねに腸内環境を整えてくれています。
具体的な名前は、各種ビフィズス菌、アシドフィルス菌などです。
乳酸菌の名前は「属・種・株」と性質によって分類されるのですが、現在までに命名されている乳酸菌は26属、381種50亜種あります。
例えば、有名なところでは「ラクトバチルス属カゼイ種シロタ株」とか、「ラクトバチルス属ガセリ種LG21」とか。
ヨーグルトのCMなどで聞いたことがありませんか?
長くて難しい名前ばかりですが、中には“プラズマ乳酸菌(正式名称は「ラクトコッカス属ラクチス種JCM5805株」)”などの通称で呼ばれているものもありますね。
たくさんの乳酸菌の中でも、「ビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)」や「ラクトバチルス・ガセリ」「ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス」などが、特に腸活に役立つとされます。
他にもいろいろありますが、名前が長く難しいものが多いですね。
100億個? 3兆個? 乳酸菌って多いほど良いの?
人それぞれ、体内に棲んでいる乳酸菌の構成が違うため、合う乳酸菌も違います。
また、サプリメントに関しては、多くの種類を入れれば入れるほど高額にもなります。
「便秘がなかなか治らない」
「サプリメントも試したけれど効かなかった」
と、お悩みの方は、地道にそれぞれの菌が含まれた食品やサプリメントを摂取し、体調を観察すれば、相性の良い乳酸菌を見つけることができるかも知れません。
ヨーグルトやサプリメントの中には、「1粒100億個」とか「1袋に3兆個」とか、乳酸菌の数の多さを競うように書かれたものもたくさんあります。
多ければ多いほど良さそうですが、実は、乳酸菌の数はあまり重要ではないとも言われています。
考えてもみてください。
わたしたちの腸内には、もともと100兆個の細菌が棲んでいるのです。
100兆個の中に放り込んだ1億個の菌なんて、全体の0.0001%でしかないんです。
劇的に環境が変わるはずがありませんよね。
また、取り入れた菌が全部、生きたまま腸に届くわけではないのですから、実際に腸内で働く菌は、天文学的に微々たる数というわけです。
そこで大切なのは、菌そのものの数よりも、菌が作り出してくれるもの。
乳酸菌の大切なはたらきは、ブドウ糖や乳糖などの糖類を発酵してエネルギーを作り出すこと。
そのエネルギーこそが、わたしたちの腸を元気にしてくれるのです。
つまり、菌が効率よく働いてくれる環境づくりが重要。
そこで前回にも触れた、乳酸菌のエサとなる「プレバイオティクス」が不可欠です。
代表的なのは、水溶性食物繊維。
「難消化性デキストリン」
「イソマルトオリゴ糖」
などを一緒に摂ることで、乳酸菌は元気いっぱい働きます。
サプリメントを選ぶ際に、こうした成分が入っているかどうか、確認しましょう。
日本発の乳酸菌・シールド乳酸菌Ⓡ。
ヒトの腸内にも生息する「ラクトバチルス・パラカセイ」という乳酸菌には、「盾」という意味で「シールド乳酸菌Ⓡ」という通称が付けられています。
森永乳業が長年の研究から発見し、保有する数千の菌株の中から免疫力を高めるはたらきに注目して選ばれました。
シールド乳酸菌Ⓡは、ほかの乳酸菌と比べて、より免疫を活発にすることがわかっています。
また、マウスにインフルエンザウィルスを感染させ、その症状を観察したところ、シールド乳酸菌Ⓡを与えたマウスの方が、何もしないマウスよりも症状が軽くなることが立証されました。
そういった作用が認められ、アメリカでも一般的に安全と認められる食品としてGRAS認証を取得しました。
現在シールド乳酸菌Ⓡは、さまざまな食品やサプリメントに活用されています。
加工食品やサプリメントの成分表示に、その名前を探してみてはいかがでしょうか。
さて今回は、乳酸菌にはたくさん種類があって名前は長く難しいけれど、摂る種類と摂り方が自分の体に合っていれば、もっと健やかで美しくなれる、というお話でした。
そして気をつけなければならないのは、摂取した乳酸菌は腸に留まってくれないので、毎日続けることが大切ということ。
では、次回もどうぞお楽しみに!
※シールド乳酸菌Ⓡは、森永乳業株式会社の登録商標です。