暑い夏の季節を乗り越えるためのセルフケア
夏の猛暑日におすすめしたい健康増進の心掛け
猛暑対策!熱中症や夏バテに要注意!
夏!真っ盛りですね(^ ^)
暦の上では「立夏」(5月上旬)から「立秋」(8月上旬)までが「夏」とされています。
しかし、実際には「暑さ寒さも彼岸まで」と言う言葉があるように、7月下旬の梅雨明けからが本格的な夏の始まりです。
そして現代の7〜8月の暑さは、まさに猛暑です!!
さらに2020年の今年は、特に長梅雨だったことから「暑さ」は8月にピークに達し、猛暑日が昼夜問わず続いています。
なんと、気温が40度を超える暑さが!
スパルタな猛暑に加え、長梅雨、新型コロナウイルスの影響で外出も減り、体が暑さに慣れていなかったり、マスク着用もあり熱中症に陥りやすく、いつも以上に注意が必要な夏なのです。
そこで今回は、この猛暑日におすすめの養生を見ていきましょう。
病気を引き起こす環境的要因『暑邪(しょじゃ)』
東洋医学では、暑さや寒さ、湿度や乾燥、風も病気の原因となる「五邪」と考えています。
夏の「暑さ」もまた病気を引き起こす環境的要因とされ「暑邪(しょじゃ)」と言います。
暑邪は「熱」と「湿」の性質があり、この性質は、身体の「気」や「体液」を消耗します。
ですので、高温による火照り、多汗によるむかつき、喉の渇きなどの熱中症や日射病、夏バテのような症状がもたらされます。
暑邪(しょじゃ)の症状
・のぼせや火照り、めまい、むかつき
・水分の不足、停滞、喉の渇き
・汗の排出と共に気を消耗する為、倦怠感や無気力、胃腸の不調
などが挙げられます。
さて、ここでは以下3つの具体例を見てみることにしましょう。
夏バテ
東洋医学では「汗」の排出と共に、「気」を消耗すると言われます。
「気」とは全身を動かす原動力、「元気」の「気」、つまりエネルギーです。
「気」が不足する事により、疲れ、倦怠感やダルさ、食欲不振と言った、症状がでます。
まさに「気」の不足=「元気」がない状態です。
「夏バテ」と言われる状態ですね。
夏バテの要因は他にも
①水分の摂り過ぎで体内の塩分濃度が薄まる
②食欲不振による栄養不足
③熱帯夜による睡眠不足
などが挙げられます。
水分、塩分、栄養の適度な補給と「睡眠」が重要です。
熱中症
熱中症は「中暑(チュウショ)と言い、暑さに中(あた)ると言う意味です。
昔の書には、『暑さに傷つけられた者は、汗を多くかき、気力低下や呼吸が短くなる』とあり、ひどい場合には気を失って倒れると記されています。
これは体内に溜まった熱が放出されずに、体温調節が出来ないでいる状態です。
めまい、のぼせ、立ちくらみ、食欲不振、頭痛、吐き気などの症状がでます。
炎天下の外だけでなく、熱気のこもった室内でも熱中症は発症する事があるので、注意が必要です。
こまめな水分補給と、熱を覚ます事が大切です。
体のむくみ
「むくみ」とは、水毒と言われる症状の一つです。
水分の不足、または水の巡りが停滞する事で起きる症状です。
湿気や水分不足、または水分摂取しても外に出せない事が要因です。
また、肺、腎臓、胃腸の「疲れ」からも起こりやすくなります。
水分補給は大切ですが、同時に摂った水分を全身に循環させ、体外に出すことが必要です。
普段、日中はエアコンのきいた室内であまり動く事なく過ごし、夜はシャワーだけと言う人は、水分の巡りが悪くなりやすいので要注意。
夏季の暑い時期に心がけたいセルフケア
夏は身体の活力が盛んになる季節なので、本来なら適度に汗をかいてエネルギーを発散さてたいところ。
それが身体の熱を「こもらせない」為の秘訣です。
ただし、過剰な現代の暑さや湿気、冷房による極端な冷えなどの影響を考えると、それも難しくなります。
そんな中、心がけたいのは「水」の巡り、「気」の補給。
探せば様々ある中で、私のお勧めをここでお伝えします。
①水分補給
②半身浴
③お勧め食材
では、これらを具体的にお伝えしていきます。
「暑邪」の夏に心がけたいのは、水分摂取による「水」の巡り、食事や睡眠による「気」の補給
①水分量補給
以前、治療院に勤めていたある真夏時、水を一日2リットルは飲むことを心がけていたAさんが、突然熱中症で病院に運ばれました。
お医者様に「水分は摂っているのか?」と訊ねられ、自信を持って「水を毎日2リットル飲んでいる!」と答えたAさん。
すると、そのお医者様は「毎日2リットル飲む習慣があるのなら、夏はその倍摂らなくてはいけない!」と言われたそうです。
人体の約60%は水だと言います。
身体の営みに水は必要不可欠です。
しかし、汗と共に放出される水分。
暑さで日中はもとより、思っている以上に睡眠中にも体の水分は失われているそうです。
また、喉が渇かないからと水を飲まれない方も多いようですが、実は水を飲む習慣が無い方は、脳の「喉が渇いた」と言うセンサーが麻痺してしまうとも言われます。
ですから、体は水分が不足していても、喉の渇きを感じる事ができないのです。
夏場の水分補給は、いつも以上に、また喉が渇いたと感じる前に、こまめに意識して摂取する必要があります。
理想的な水分
水分と言っても様々あります。
しかし、やはり理想的なのは「水」です。
人体は「水」で出来ているからです。
コーヒーや、お茶ではありません。
また、コーヒーや、お茶を摂取すると、水とその水分に含まれている様々な成分(カフェインやカテキンなど)に分類する為に体内で体液が使われます。
ですので、身体の為に純粋に水の補給となると、やはり「水」なのです。
しかし、夏場などの大量の発汗は、時には水と共にナトリウム(塩分)も同時に摂取する事で、体内で上手く水を吸収する事ができます。
500mlの水に、砂糖スプーン2杯、塩一つまみ、レモン一絞りで、簡単自家製スポーツドリンクの出来上がりです。
むくみがちの方は
以上、水分補給は絶対大切なのですが、この時期むくみがちになると言う方は「摂取した水分を上手く全身に巡らす事」が出来ず、停滞しているかも知れません。
余分な水分を体外に出す事が必要です。
②半身浴
余計な水分を体外に出す為にお勧めなのが、半身浴です。
半身浴により適度に発汗する事で、余分な水分を排出する事ができます。
また現代は「クーラー病」と言う言葉もあるように、身体が冷えて怠さや凝りなどの症状をお持ちの方もおられます。
半身浴は心臓に負担をかける事なく血流が良くなり、身体深部まで温かくなる事で、身体を修復する力が上がります。
さらに、体温が上がると免疫力も高まります。
寝つきが悪い、を解消
そして、心身の回復に欠かせないのが「睡眠」です。
「睡眠」は「気」を蓄えるとも言われます。
夏バテの要因の一つに睡眠不足が挙げられますが、「身体の冷え」や、「気」が不足する事で不眠に陥りやすいのです。
突然ですが、体温が上がった時、下がった時、どちらが眠たくなると思いますか?
正解は『下がった時』なのです!
眠気は、身体の熱が冷めて行く時に生じます。
一度上がった深部体温が、1時間程でぐっと下がっていきます。
この時です。
その時、熱を放出するのは手足先です。
赤ちゃんが眠たい時は、手が暖かくなりますね?
あれは熱を逃して、体温を下げているのですね。
効果的な半身浴
38度〜40度程度のお湯が適していると言われます。
時間は20分〜30分と言われますが、発汗の状態や、体力には個人差があります。
じわじわと汗をかいてきたら、深部温度が上がっているサインです。
発汗を目安に無理の無い半身浴を心がけて下さい。
入浴前後の水補給ももちろん大切です。
③夏にお勧め食材
ずばりオススメなのが、夏野菜と果物です!
旬の食材は、その季節に活きる身体を養ってくれます。
夏野菜、果物には、身体の熱を放出し水分を補う働きがあります。
例えば、トマト、きゅうり、冬瓜、スイカやメロンです。
「気」の不足や冷えから、胃腸機能も低下しがちになるので、豆腐もオススメ。
豆腐はこもった熱を出してくれると共に、胃腸機能を整える作用があります。
五行説でみると、夏の臓器は「心」、味は「苦」です。
苦味は、イライラなど高ぶった精神(臓器の「心」と対応)を鎮めたり、利尿作用があります。
ゴーヤ、ピーマン、セロリ、らっきょうなどです。
また、色は「赤」なので、
クコの実(強壮作用、疲労、めまいに効果的)
唐辛子(体の余分な水分を出す、滋養強壮効果)
も良いですね。
もちろん水分補給には、「水」がオススメですが、麦茶は「のぼせ」を取り除く作用があります。
冷やしすぎ、摂り過ぎ注意
水分補給や、食事の際、あまりキンキンに冷えていると胃腸に負担をかけてしまいます。
確かに暑い夏の季節、冷たい飲み物をグビッと飲みたくなりますね!
しかし、喉越しはとても良いのですが、その負担が更なる症状を招く可能性もありますので、注意してください。
また「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。
一つのものを摂り過ぎも注意です。
暑い夏の次には「秋」が来ます
以上、夏に心がけたいセルフケアでした。
この真夏日からは想像しにくいですが、必ず次に「秋」がやってきます。
最近は「秋バテ」と言う言葉があります。
秋バテは、夏の疲労したままの体に、更に負担がかかる事により発生します。
また、秋は乾燥の季節でもあります。
尚更、今からの体内の水分に対する意識が大切ではないでしょうか。
是非、夏のセルフケアで猛暑と共存する身体を培っていきましょう!