秋の季節の健康と養生・セルフケア
秋の季節におすすめしたい健康維持・健康増進の心掛け
「秋の日は釣瓶落とし」と言われますが、いつの間にか日が暮れている今日この頃。
ショーウィンドウ、雑誌には既に「秋の特集」が組まれていますね。
さて、何度と繰り返しお伝えしていますが東洋の医学には、
「一年の自然の移ろいを把握し、季節に合った生活を送れば病気にならない」と、あります。
病気や、老化というものは生活習慣の違いで個人差が出てきます。
いつまでも「健やで美しい身体」の維持、「健康寿命」を伸ばす為にも、日々の養生が大切になってくるのですね。
秋は身体の外だけでなく、内にも意識を向けてみませんか?
まずは、秋とはどの様な季節なのか把握していきましょう。
「秋」の季節とは、どんな季節??
秋は収穫のとき 万物が実を結び、生命力を体内深く収納する季節
生物は、秋から翌年に備え、生命力を内に収めはじめます。
春夏に外に向いていた気(陽)が、中へ、下へと入って小さくなります(陰)。
収穫を終えた頃、木々の葉は枯れ落ちていく様に、大気も落ち着きを迎えます。
清らかな冴えたパワーを呼吸で取り入れ、ゆるゆると表情をやわらかく。
激しい活動は避けて、心穏やかに過ごしましょう。
秋のキーワード
「和み」
「落ち着き」
五行→肺
古代中国に端を発する自然哲学の思想「五行説」で観ると、秋は「肺」の季節です。
空気が乾燥してくる季節であり、これは肺を害するものです。
呼吸器系、肌トラブルに気をつけましょう。
秋の季節の過ごし方
陽から陰へ
流れのある水は、腐らず、常に清らかな様に、生命エネルギーも常に流れているので、活き活きと元気で存在しているのではないでしょうか?
東洋哲学では、「陰」「陽」の概念があります。
それを体内の流れに当てると、春夏は、上に上に気のエネルギーが上がる「陽」の時期に対し、秋になると下に下に、足の方へと気が収まろうとする「陰」の時期になります。
秋の季節の過ごし方のポイントは、「気」を落ちつける事、「気」を逃がさない事です。
激しく動くと「気」が収まらないので、せかせかと動くのではなく、落ち着いたリズムで生活していきましょう。
汗をかくと毛穴を通して陽の気が逃げて行きます。
9月下旬頃までは、汗をかかないよう薄着がおすすめです。
また、秋からの毛穴は、開閉が鈍くなると言われます。
一度開いた毛穴が中々閉じず、そこから外からの「邪気」が入ってしまいます。
陰の季節は次の陽の為、「休養」「パワーの充電」の時期でもあります。
秋の季節の健康維持と心の養生
何となくもの悲しくなったり、殺気だつ傾向にある秋の季節。
感情を高ぶらせるのではなく「安定させる事」を意識したいものです。
出来なかった事に気を尖らせたり、凹ませたりせず、また新しい何かを始めようと躍起になったりせず、この季節は「穏やかな気持ち」でいる事が大切。
そうする事で心と体の陽の気が整い「気」を身体の中に収める事ができます。
また、一つの事に向き合うのもおすすめ。
内面を高める意識です。
まさに「読書の秋」「芸術の秋」は理想的なのです。
秋におすすめ食材養生
まずは…
乾燥から肺を補う食材
・豆腐
・卵
・梨
・ハチミツ
・牛乳
水分代謝を促す
・ブドウ
・レンコン
「気」「血」を補い、流れを促す
・サンマ
腸の免疫細胞に直接働きかけ、免疫力アップ
・キノコ類
晩秋ごろからは寒い冬に備える為、少し食事の量を増やして、高カロリー、高タンパクが理想です。
脾を健康にして、肺を養う
・長芋、山芋等芋類
・鶏肉、鶏ガラスープ
乾燥予防
・水
「辛」で気の入れ替え
五行説において、「肺」に対応する味は「辛」です。
肺の働きを助け、停滞した「気」「血」の流れを促進する力があります。
また、夏は汗をよくかいて、皮膚から気や老廃物をしっかり出しますが、気温が下がってくると皮膚が閉じます。
「辛」は新陳代謝をあげ、体温の上昇と発汗を促し、老廃物を排出するのにも役立ちます。
窓を開け換気をする様に、適度に毛穴を開く=身体の窓を開け放つ事で、気持ちの良い空気の入れ換えをしましょう。
・唐辛子
・ニンニク
・山椒
・大根
・ネギ
・生姜
・お酒
秋へのシフトが間に合わず「秋バテ」!? 秋バテには根菜
もしあなたに、何かしら不調が出始めているなら、それは「秋バテ」の可能性も。
夏の疲れが出始めているなら、秋へのシフトが間に合わず、その結果として不調に。
特に台風の影響で湿気も多く、「湿邪」の影響を受けやすい方は注意が必要です。
また、「湿邪」の影響を放っておくと、冬に「下痢症」を発症する危険もあります。
ですから、早めのケアをしてあげましょう。
症状→胃弱、腹痛、下痢、冷え、ダルさや痛み、関節痛など
胃腸を休める為、腹八部。
温かく、消化に良いものを心がけて下さい。
そこで提案したいのは、根菜類を煮物や、スープにして摂取する事。
根菜でも、丸いもの(ジャガイモ、里芋、カボチャ)は特に脾胃に優しいと言われます。
秋の季節の養生・セルフケア〜終わりに
ファッションなどのトレンドは年々変われど、身体に対する養生法は数千年前から変わらない!
養生法は、ずーっと使える「健康の知恵」です。
今日からどれか一つでも暮らしに取りいれて、あなたや、ご家族の健康寿命にお役立ち頂ければ嬉しいです。