第24回〜風邪の季節に備えましょう! 秋から始める腸活。
毎冬、風邪を引いてしまう人はいませんか。
昔と比べて、風邪を引きやすくなった気がする、という人も。
風邪を引きやすいのは、免疫力が下がっているため。
免疫の活性化や病気の予防を考えるなら、まず注目したいのが、腸内環境。
腸が正常・活発に動いていれば、ちょっとやそっとの病原菌やウィルスをのさばらせることはありません。
風邪から新型コロナ、ガンに至るまで、あらゆる病気を防いでくれるのが、主に腸が司る「免疫力」なのです。
それだけでなく、腸の働きの低下は肥満や認知症、自閉症などにも影響を与えることが分かってきました。
腸はそれほど、大切な存在なのです。
毎日大切にいたわって、今年の秋冬は、風邪に無縁な健康体で乗り切りましょう!
腸はもっともコントロールしやすい臓器?
とは言え、裸になって鏡に全身を映しても見えない腸のこと。
「ちょっとよく分からない」
のが、正直なところでしょう。
これまでのお話で、腸内には約1000種類、100兆個もの細菌が棲んでいることも分かりましたし、複雑すぎて難しそうですね。
しかし、すべての臓器の中で、腸はもっともコントロールしやすいと言われます。
食べ物や生活習慣で、その環境を能動的に変えることができるからです。
また、「毎日ちゃんとうんちできているか」「その色や形はどうか」を見れば、健康状態を自分でチェックすることができるところも、他の臓器より分かりやすい部分でしょう。
具体的に言えば、理想は毎日うんちが出ること。
もし、毎日出ない方も、強くいきまなくてもスルンとお通じがあれば、良い状態と言えます。
また、体格によりますが、平均的な慎重体重の女性なら、一日に200g程度のうんちを出したいところ。
トイレの横に体重計を置いて、排泄前後の体重を比べてみると、日頃の排泄量が把握できるでしょう。
三日以上排便がない状態を「便秘」と呼びますが、この状態でなくても日々の排便量があまりに少ない場合は病気の可能性があります。
また、トイレで便が沈んでしまう状態も便秘の一種かもしれません。
食物繊維を積極的に摂るようにすると、うんちの中に空気が含まれるため、水に浮くようになります。
次にトイレに行ったら、少し注意してみてくださいね。
腸は、心身の健康の源。
さて、うんちのチェックでベストコンディションではないかもしれない?
と、思った方も大丈夫。
ここからは、腸をいたわり、免疫力を上げ、風邪を引きにくい腸活・腸環境づくりについて考えます。
腸活が免疫力を上げることは「メタボ対策のため野菜中心の食生活と乳酸菌サプリを習慣づけたら花粉症まで治った」、などの「実体験」から実感している方も多いのは事実です。
免疫とは、細菌やウィルスなどの病原体、がん細胞などさまざまな外敵からあなたの体を守っている防御システム。
それらの免疫細胞の薬60%が、腸内にいるのです。
いわゆる、腸内フローラですね。
これが整った良い状態にあれば、排便もスムーズ、臭いも少なく水に浮く、きれいなうんちが毎日200g程度排泄され、さらに髪や肌のツヤも良い、健康状態でいられるというわけです。
腸が整うと、病気になりにくくなるだけでなく、普段から気分が明るく前向きになり、さまざまなことに意欲を感じやすく、些細なことでくよくよしない精神力まで湧いてきます。
なぜなら、心は腸そのもののことだから。
それについてはこちら(第10回ハートは腸にある!? 最新の腸常識。)をご参照ください。
なんとなく憂鬱さや切なさを感じやすくなる秋こそ、腸を活性化して精神的にも明るく強くなって過ごしたいですね。
「腸内環境が良い」ってどういうこと?
昨今、新型コロナウィルス感染拡大のため自粛生活が長引き、運動不足やストレスが深刻化しています。
さらにストレスからお菓子や脂っこい食事が増えたり、動かないせいで便秘がちになったりして、腸内環境にとっては過酷な時代。
このような状態では、腸内の悪玉菌が徐々に増え、数の多い方に味方する日和見菌が悪玉菌側について一気に腸内環境が悪化しかねません。
腸内がよどむと心が沈み、ストレスが加速。
肥満やうつも引き起こします。
「コロナうつ」や「コロナ太り」は、腸が不健康な状態にあるために起こっているのかも知れません。
気分が沈むとき、無理に自分を奮い立たせようとすると、かえってつらくなったり自己嫌悪に陥ったりしてしまいますが、まずは「ただ腸に良いことをしよう」、と思えばハードルが下がりませんか。
発酵食品を食べる、温かくやさしい飲み物を飲むなど、簡単にできることはたくさんあります。
次の章では、そんな腸活の具体策をご紹介します。
秋の夜長に、腸活アクションのご提案。
さて、今すぐできる腸内改善アクションのご紹介です。
朝起きたら、まずカーテンを開けて陽射しを浴びましょう。
余裕のある方は、家の周りを一回りで良いので、歩いてみませんか。
学校や会社まで歩いて行くのも良いですね。
筋肉を動かし腸を刺激すると同時に、日を浴びることでホルモンバランスが整い、睡眠の質も上がります。
朝食しっかり派の人は、季節の野菜の入ったメニューをよく噛みながら召し上がってください。
咀嚼を増やすことで胃液が分泌され、腸もきちんとはたらくスタンバイをした上で食物を受け入れるため、腸壁への負担が減ります。
朝食軽め派の人は、ヨーグルトや納豆などの発酵食品をどうぞ。
それもちょっと…という方は乳酸菌サプリメントで簡単に。
起きてから少し体を動かし、さらに朝食を食べて腸を刺激すると、そろそろ便意をもよおす方も多いでしょう。
このとき落ち着いてトイレを済ませることができるよう、時間に余裕を持って起きておきたいですね。
また、すぐには出ない人もどこか決めたタイミングで必ずトイレに座るようにすると、体がそれに合わせて排泄しようとはたらく場合もあるそうです。
学校や職場でのランチは、外食や買って済ませる人も多いでしょう。
そんな時、時間がないからと言って丼物や汁気のある麺類など、あまり噛まずに食べられるメニューばかり選ばずに、なるべく品目数の多い定食系で咀嚼を増やすようにするのも、良い腸活です。
また、オクラ、納豆、めかぶなどのネバネバ系、玄米や海藻などの食物繊維系、チーズや漬物などの発酵系といった腸活の味方をチョイスするよう心がけてください。
夜のリラックスタイムも、大切に。
日中のストレスを抱えたまま寝てしまわないよう、なるべく心をよろこばせる時間を持ちましょう。
好きな音楽を聴きながらゆったりと本を読んだり、お気に入りのアロマを焚いて半身浴したり。
体と心をほぐし、腸を刺激するためにストレッチもおすすめ。
お風呂上がりにヨガマットを敷いて行うと、血行も良くなりスムーズに眠れるでしょう。
さあ、今回はこの秋冬を心身ともに元気に乗り切っていただくためのあれこれをご提案しました。
ライフスタイルに合わせて、少しでも取り入れていただければうれしいです。
腸の健康と、そのために不可欠な乳酸菌は、わたしたちの健やかな暮らしを支えてくれます。
今後もこのコラムを通して、より一層身近に親しく感じていただき、生活のそばに、常に乳酸菌を置いていただけますよう願っています。