第4回〜乳酸菌カン違い!? 乳酸菌食品を毎日食べれば腸美人?
なんとなく「整腸作用がある」「お腹に良い」というイメージのある乳酸菌。
「乳酸菌入り○○」といった商品も流行っているし、摂ったほうが良いものだとは皆さん思っていらっしゃるでしょう。
よく朝食にヨーグルトを添えている人や、納豆を食べている人も多いと思います。
しかし、漠然と乳酸菌食品を食べていれば、万全と言えるのでしょうか。
今回のお話は、「乳酸菌の必要性を知りたい」という方だけでなく、
「わたしは毎朝ヨーグルトを食べているから大丈夫!」
という方にも、目を留めていただけるとうれしいです。
乳酸菌は食事で摂ればOK、というカン違い。
乳酸菌の多い食品といえば、ヨーグルトやチーズ、発酵バターなどの乳製品、サラミや生ハム、アンチョビ、ニシン漬けなどの肉、魚の発酵食品、ぬか漬け、韓国産キムチ、すぐき漬け、ザワークラウト、納豆などの野菜、穀類の発酵食品。
加えて味噌、醤油、甘酒などの調味料やお酒が数えられます。
これらの乳酸菌食品を毎日取り入れることは、お腹のために、お肌のために、とても大切です。
ちなみに、キムチにわざわざ「韓国産」と書いたのは、日本産キムチは多くが「非発酵」のキムチだから。
…ご存じでしたか?
発酵してキムチの味になる本場の韓国キムチと違い、日本で売られているキムチの多くは、キムチ味の「タレ」に漬けた「浅漬け型」なのです。
見分けるポイントは、添加物が使用されておらず、材料がシンプルかどうか。
着色料などの添加物が使用されたキムチは、発酵型でない可能性が大いにあります。
判断に迷ったら、韓国産のキムチの多くは発酵キムチですので、生産国で選べば安心です。
「キムチを食べてるのに便通が改善しない!(汗)」
と、お悩みの方は、いつも買っているキムチがちゃんと「発酵した」キムチかどうか、一度確認してみましょう。
さて、乳酸菌と食物繊維の両方が摂れるキムチは、美容・健康の観点から特におすすめしたい食品ですが、発酵キムチって『日々味が変わります』ね。
発酵が進むと味が酸っぱくなるため、苦手な方もいらっしゃると思います
(ちなみに酸っぱくなったキムチは、チヂミや豚キムチ、鍋などにして加熱するとまろやかでおいしくなりますよ)。
実はキムチの変化は、味だけではありません。
乳酸菌の量も日々変わっているのです。
韓国農水産食品流通公社によりますと、購入から6日目のキムチがもっとも乳酸菌量が多いそうです。
かといって、酸味の苦手な方はもっとフレッシュな状態で召し上がりたいでしょうし、買って来たキムチを6日間も冷蔵庫で放置するのはなんとなく気が引けますけどね。
キムチ好きには悩みどころです。
キムチに限らず、上記に挙げた乳酸菌食品の多くは、含まれる乳酸菌量が日々変動します。
乳酸菌食品を毎日摂っていても、日によって足りないこともあるかも知れないのです。
理想的な形で乳酸菌を大腸まで届けるには?
前々回、第2回 今日から始める! 腸活のいろはでもお話ししましたが、摂取した乳酸菌は腸内にとどまらないため、毎日コンスタントに摂り続ける「貯菌」が必要です。
そこで頼れるのが、乳酸菌サプリメント。
食事だけでは乳酸菌の量や種類にムラが出るため、体調や食欲、また季節などにも関わらず、安定して毎日摂れる安心感もありますしね。
前回(第3回〜その数、400種以上! 乳酸菌を知ろう)でも申し上げた通り、乳酸菌にはかなりの種類がありますので、食品からだけ摂っていると種類が偏るかも知れません。
サプリメントなら、どんな種類の乳酸菌が入っているか書いてありますし、ご自身に合う乳酸菌を見つけやすいでしょう。
体内に棲んでいる乳酸菌の構成は、人によってそれぞれ違います。
当然、体調に合う乳酸菌も変わってきます。
発酵食品を積極的に取り入れているのに、いまいちお腹の調子が思わしくない方や、もっともっと改善したい方は、種類の違う乳酸菌が配合されたサプリメントを摂取し、体調を観察すれば、ご自身にぴったりの乳酸菌を見つけることができるかも知れません。
もしくは、ご面倒ならば配合された乳酸菌の種類が多いサプリメントを選ぶのも一つの方法です。
数を撃てば、当たる確率も高まります。
腸まで届くラブ。植物性乳酸菌「ラブレ菌」は要チェック。
さて、有名な植物由来乳酸菌「ラブレ菌」は、前回(第3回〜その数、400種以上! 乳酸菌を知ろう)ご紹介したシールド乳酸菌と並び、多くの乳酸菌の中でも特に日本人におすすめですので、ご紹介しますね。
カブの仲間である「すぐき菜」の乳酸発酵漬物であるすぐき漬けは、日本の京漬物として知られています。
お漬物由来のラブレ菌は、乳由来の乳酸菌よりも「過酷」な環境で生きられることが分かっており、特に腸での生存性が高いことで、腸内環境を良くしてくれる乳酸菌として期待できます。
また、腸内に留まらないことが知られている乳酸菌の中で、珍しく腸管細胞にくっついて、排泄されずに腸内に留まるという研究結果もあります。
そして、腸内を有害な菌から守ってくれるという、プロバイオティクス※としての効果が立証されている、なんとも頼もしい乳酸菌なのです。
さらにこのラブレ菌、死菌になってもビフィズス菌のエサとして活躍するそうです。
つまり、有能な戦士でありながら、死してなおプレバイオティクスとしてもはたらいている?!
なんともドラマチックでカッコいいキャラクター。
それが生きて腸まで届くラブ、否、ラブレ菌、と覚えてください。
※)プロバイオティクス=腸内環境を改善する菌のこと
プレバイオティクス=プロバイオティクスの餌となる食品や成分のこと
サプリや健康食品を「白湯」で飲む、というカン違い。
水道水には、殺菌のための塩素が添加されています。
これがなければ水の中で菌が繁殖して危険ですから、わたしたちにとって大切なものではありますが、体内に入ると活性酸素を発生させるというマイナス面もあります。
活性酸素は、体に対してさまざまな悪事をはたらくことが知られていますが、その中の一つに「善玉菌を殺し、悪玉菌を増やす」という作用があります。
水道水をそのまま飲み続けると、腸内フローラが壊される可能性があるのです。
そんなことを知らなくても、そもそも塩素の臭いが気になるため、普段から煮沸して飲んでいる方も多いでしょう。
水道水を沸かすと、塩素は抜けます。
ただし長く煮沸を続けると、水中の酸素も抜けていきます。
さらに、水道水を煮沸したやかんや鍋の内側には、白いものがこびりつきますね。
これの正体は、水に含まれる微量のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分。
つまり、いわゆる「湯冷まし」、長く煮沸を続けた「白湯」は、塩素もないけれど酸素もミネラル分もないお水ということになります。
これはこれで、あまり体には良くないと論じる専門家もいらっしゃいます。
塩素は、注いで短時間放置していれば、ある程度抜けます。
もともと、そのまま飲んでも害にならない程度の濃度に定められているので、日常的なサプリのお水はそれで十分かも知れません。
湯冷ましも、あまり長く煮沸せず、軽く沸かしたもので良いでしょう。
もちろんサプリのお水の成分にまでしっかりとこだわりたい方ならば、ミネラルウォーターで飲むのが理想です。
その際は、便秘にお悩みの方は「硬水」を選ぶと良いでしょう。
硬水はミネラル分が多く、体への浸透圧が高いため、飲んでもすぐには吸収されず、腸内に水分が長く留まりやすいのです。
その分、便が柔らかくなりやすいというわけです。
逆に、下痢や軟便にお悩みの方には「軟水」がおすすめ。
ミネラル分が少ないため、口当たりはまろやかで飲みやすいお水です。
カルシウムとマグネシウム量が少ないため、胃腸に負担をかけることなくさっと吸収され、老廃物を排出してくれます。
毎日のことですから、こちらもお財布とご相談のうえ決めていただければと思います。
さあ、何か知らなかった内容、あ〜カン違いしていたな!という内容はありましたか?
小さなコラムでも、何かを「発見!」していただければうれしいです。
乳酸菌は、わたしたちの健やかな暮らしのために欠かせないもの。
このコラムを通して、より一層身近に親しく感じていただき、生活のそばに、常に乳酸菌を置いていただけますよう願っています。
では、次回も乳酸菌と腸活について、興味を持っていただけるような情報をお届けしますので、どうぞお楽しみに!