第31回〜「立って歩く」が、腸活の基本。
もう長いこと、旅行や遠出がはばかられる時間を過ごして来ましたね。
そろそろうんざりしている方も多いことでしょう。
もちろん十分に対策を取ってですが、人混みを避けて、春の陽射しと風を楽しむ時間を持ちたいものです。
多くの方はリモートやオンラインでの仕事や授業が増えて、以前と比べると屋内に座って過ごす時間が増えたのではないでしょうか。
「コロナ太り」なんて言葉も定着しましたが、ジム通いや運動習慣が減ると、体はなまりがちになりますね。
人間の体はもともと、立って動くように作られています。
二足歩行をする時間が減ることで、体がなまるだけでなく、他にも動きが悪くなる部分があります。
それが、腸です。
「立つ」という腸活を意識した生活を。
腸はどうして動くのか?
もちろん、食べ物が入って来た時、それを消化するために動きます。
しかし、それと同じくらい、人の体の動きとともに動いています。
腰痛や腰回りの怪我に苦しんだことのある人は分かると思いますが、体の中心にある腰のあたりは、立ったり歩いたりといったあらゆる動きを支えています。
だから腰痛の時はすべての動きがつらい。
つまり、人が体を動かすと、お腹の中にある腸を包む筋肉、つまりインナーマッスル(深層筋)が必ず動いているのです。
その力が、腸に直接刺激を与えます。
腸の動きが活発になれば、自律神経が整い、体調が良くなります。
本格的な運動やエクササイズなどが苦手な人には、ウォーキングがおすすめです。
適度な有酸素運動が、腸の働きを助けます。
雨の日や外出が難しい日も、せめて部屋でゴロゴロ過ごさず、テキパキと家事をこなしたり、腹筋に力を入れて爪先立ちで歯磨きしたり、腸を物理的に動かすことを意識してみてください。
「座りっぱなし」が大病の原因にも?
長時間座っていると、血流が悪くなりますし、姿勢も歪みやすくなります。
長時間座ることで、体に弊害が出るとWHO(世界保健機関)も言っています。
WHO(世界保健機関)によると、がん、肥満、糖尿病、狭心症のリスクは、座る時間が長い人ほど高いことが分かっているそうです。
座ったままでいると、腸の蠕動運動は鈍くなります。
食べたものの内側からの刺激しかなく、筋肉の動きという外側からの刺激がないからですね。
しかし、ランチの後は、腸に正常なぜん動運動をしてもらわなければ、消化が滞ってしまいます。
食後にはストレッチをしたり、軽く歩き回るなどしてみませんか。
腸を取り巻く筋肉が動いて腸を刺激し、正常な消化を助けてくれます。
午後の仕事中も、手が空いたらストレッチをするとか、できれば1時間ごとに一度立ち上がって、少し歩き回ってみるなど腸の動きを助けてあげていただきたいものです。
仕事中に立ち上がったり、1時間おきのストレッチをしたりするのが難しい方は、首筋を伸ばしたり首をぐるぐる回したりしてみてください。
「神経のスクランブル交差点」と言われる首のコリをほぐすことで、自律神経が整うのです。
首が前傾するスマホ首にもご注意ください。
タッピングやマッサージも効果的。
指先でお腹をトントン叩く、「タッピング」というやりかたも、腸に刺激を与えてぜん動運動を助けると言われています。
マッサージと合わせて、取り入れてみてはいかがでしょうか。
特にこの部分ということではなく、大腸、小腸のあるあたりを両手の指先を使って全体的に位置を変えながらトントンと刺激していきます。
指の腹を使って、優しく刺激を重ねることがポイントです。
大腸のある辺り全体に、大きく「の」の字を書くというマッサージ法もあります。
おへそを中心に時計回りに、重ねた両手で圧をかけながらクルクル回します。大腸の動きを助ける気持ちで、ゆっくり押しながら回してください。
運動できないときも腸を元気に動かすための技でした。
それでも快腸じゃないな、と思ったら、ぜひ乳酸菌サプリメントを取り入れてください。
今回は、心浮き立つ春らしく、凝り固まった体をほぐす内容でした。
重いコートがいらなくなった今こそ、感染を気にしなくて済むような開放的な屋外に飛び出し、思いきり元気に体を動かしたいものです。
おいしく食べても太りにくい、元気できれいな体を作るのは腸の仕事です。
これからも、腸を大切に、腸の動きを助けてあげてください。