第21回〜いまさら聞けない乳酸菌の常識。

 

 

 

体はもちろんのこと、心の健康のためにも大切なはたらきを持つ、わたしたちの腸。

 

腸の調子を整えるために不可欠な乳酸菌のこと、どのくらいご存じでしょうか?

そして、毎日の生活の中で、どのくらい乳酸菌を意識して摂っていらっしゃるでしょうか?

 

今日、何を食べようかな…?

 

と、考えるとき多くの方は、

「昨日はお肉ばかりだったからお魚をメインにしよう」

とか、

「野菜もたべなきゃ」

とか、考えると思いますが、

 

 

「乳酸菌はどうしよう」

と、セットで考えている方は、そう多くないかも知れません。

 

 

しかし、乳酸菌はタンパク質やビタミンと同じくらい、毎日意識して必ず摂っていただきたい必須要素です。

 

今日は、基本に立ちかえり「乳酸菌」について基本的なところからおさらいしたいと思います。

 

 

 

「生きて腸に届く」乳酸菌でないと、意味がない?

 

発酵食品の乳酸菌は、腸に届く前にほとんど死んでしまう!?

 

毎朝ヨーグルトを食べているよ、

 

毎晩ぬか漬けを食べているよ、

 

という方も多いでしょう。

 

すばらしいですね。

 

 

「だから腸活はばっちり!」

 

本当にそうでしょうか?

 

 

実は、ほとんどの乳酸菌は腸に届く前に胃酸で死んでしまうそうです。

 

そこで、「生きて腸に届く」とわざわざ書いている商品がたくさん発売されているのです。

 

死んでしまった乳酸菌を「死菌」と呼ぶのですが、実はこの死菌にも、重要なはたらきをするものはたくさんあり、免疫を高めてくれるものもあるため、やはり摂り続けるのは良いことなのです。

 

 

さらに、生きた菌であれ死菌であれ、腸内には先住菌がいるので、食べた乳酸菌は腸内にとどまって住み着いてくれません。

 

ですから、やはり毎日摂る必要があるのです。

 

 

 

乳酸菌って何? 意外と知らないその定義

 

乳酸は、決して“疲労物質”などではありませんでした

 

乳酸菌の定義。

それは、

「ブドウ糖や乳糖などの糖類を発酵して、エネルギーを作り、多量の乳酸を作る菌の総称」

です。

 

ヒトの腸内に棲む乳酸菌は、各種ビフィズス菌、アシドフィルス菌。

それらは「善玉菌」と呼ばれています。

 

体内には多くの乳酸菌が棲んでいて、「常在菌」と呼ばれています。

種類によって、棲んでいる場所が違います。

 

ちなみに、「乳酸」はかつて「疲労物質」などと呼ばれて良いイメージではありませんでした。

「乳酸が溜まると筋肉が疲労する」などと言われ、疎まれていたことをご存じの方も多いでしょう。

 

しかし、実は「乳酸」は、エネルギーを作るため糖を分解する時にできる生成物で、ミトコンドリアを通してエネルギー源として再利用されます。

心臓を動かす筋肉や、脳のエネルギー源にもなり、30分もすれば消えることが分かっています。

 

決して蓄積されることはないし、疲労物質でもありません。

 

 

 

乳酸菌を摂れる食品

 

乳酸菌が豊富に含まれる食品には、酸味のあるものが多い

 

では、具体的に毎日何を食べれば良いのでしょうか。

 

乳酸菌が豊富に含まれる食べ物を挙げてみます。

 

まずは、言わずと知れたヨーグルト。

 

あの酸味は、乳酸菌が糖を分解して作った乳酸です。

単体で美味しく食べられるため、もっとも取り入れやすい食品の一つでしょう。

 

 

次に、ナチュラルチーズ。

 

発酵に乳酸菌が使われているため、効率的に乳酸菌を摂取できます。

プロセスチーズは加熱加工の段階で乳酸菌が死んでいます。

 

 

キムチも乳酸菌が豊富なことでよく知られていますね。

 

ただし、日本のスーパーで売られているキムチには、調味液で漬けただけの発酵していない“キムチ風浅漬け”も多くあります。

韓国産のものを選べば間違いないでしょう。

発酵が進むほど乳酸菌が増えますが、酸味が強くなるので、苦手な方はごま油をかけて酸味をやわらげると食べやすくなります。

 

 

日本のお漬物も、発酵しているものには乳酸菌が含まれています。

代表的なものはすぐき漬け、ぬか漬け、芝漬け、たくあんなど酸味のあるもの。

 

 

ヨーグルトやチーズなど、乳製品に含まれる「動物由来乳酸菌」と、漬物などに含まれる「植物由来乳酸菌」、どちらも大切ですが、植物由来のほうが厳しい環境で生きられるので生命力が強いそうです。

 

積極的に摂るようにして、腸を健康にしたいですね。

 

 

 

乳酸菌を助ける食品

 

乳酸菌のはたらきを助ける、プレバイオティクスを味方に

 

乳酸菌をしっかりとはたらかせるためには、それを助けるプレバイオティクスと呼ばれるエサとセットで摂る必要があります。

 

プレバイオティクスとして認められているのは、オリゴ糖や食物繊維の一部。

 

これらを摂ると、乳酸菌、ビフィズス菌の増殖が促進されます。

 

 

オリゴ糖が豊富な食品は、玉ねぎ、にんにく、はちみつ、大豆、ごぼうなど。

 

食物繊維の豊富な食品は、豆類やれんこん、オクラ、きのこ、海藻など。どこのスーパーでも手に入る食材ですし、コンビニなどのお惣菜としても手軽に入手できますから、ぜひおかずに加えてくださいね。

 

 

これらの食材を見ていると、どれも和食でよく使われるものであることがよく分かります。

 

和食が健康に良いことは世界的にも知られていますが、もともと日本人は、腸に良い食材を積極的に摂ってきたからだと分かります。

 

 

普段、皆さんはどこでどんな食事をしていますか?

 

もし、普段のお昼ご飯がいつも会社の近所の洋食屋さんやファストフード店ばかり、という方は、コンビニのお弁当でも良いのでたまには和食を取り入れたり、パンやおにぎりだけでなく、海藻サラダやヨーグルトをプラスしたり、工夫してみてはいかがでしょうか。

 

 

それでも取り入れることが難しい方は、乳酸菌サプリメントを習慣づけてはいかがでしょうか。

食物繊維やオリゴ糖が配合されたものなら、サプリメントだけでもかなりカバーできますよ。

 

 

今回は基本に立ちかえり、乳酸菌の基礎の基礎をお話ししました。

 

人の幸福感を司るハッピーホルモン「セロトニン」の9割を分泌するという腸を元気にすることが、毎日をご機嫌で過ごす助けになります。

 

 

乳酸菌で、ハッピーに!

 

では、また次回元気にお逢いしましょう。