第15回〜腸活体操で、ちょう元気に!
「腸活」と言えば、食事の改善や乳酸菌、発酵食品をたくさん摂ることのイメージが強いですね。
でも、忘れてはならないのが、適度な運動。
運動が必要な理由としては、生活を改善して体調を整えるだけでなく、もっと直接、スムーズなお通じにつながる理由があります。
それは、腸の働きを助ける筋肉をつけること。
大腸のぜん動運動は自律神経がコントロールしているのですが、それだけでは足りないため、腹部の奥にある「腸腰筋」という筋肉のサポートが不可欠です。
※腸腰筋〜出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
そんなインナーマッスルの力は、年齢とともにその力が低下しがち。
加齢とともに便秘に悩む人は増えますが、その原因の一つは、運動不足による腸腰筋の衰えなのです。
普段の生活で、腸腰筋を鍛える方法。
腸腰筋トレーニングって、実はとっても簡単。
階段の登り下りで鍛えられるのです。
特に、下りの動きはインナーマッスルを鍛えるそうです。
膝を痛めている方は注意が必要ですが、もし日常的に利用する駅やオフィスに階段があるならば、積極的に利用してみてはいかがでしょう。
目安としては「3階くらいまでなら階段を使おう」という意識でOK。
今は感染対策としてエレベータの人数制限をされている場所も多いですし、注意書きがあってもエレベータ内で会話をする人と居合わせてしまうリスクは誰にでもありますので、階段利用は一石二鳥ではないでしょうか。
すでにお通じにお悩みなら、更なるエクササイズを。
腸腰筋を鍛える基本動作としては、
「脚を開く」と「腰をひねる」。
例えば、つま先を外側に向けた状態で脚を肩幅より広く開いて、膝を外側に90度くらいゆっくりと曲げ、伸ばす屈伸運動。
10回もすれば結構体が温まります。
また、この運動で膝をまげた際、そのまま片方ずつ肩を前に出すようにして腰をひねると、さらに効果的。
この時、下半身を動かさないようにしっかりと踏ん張りましょう。
これなら、足音も立たないのでマンションでも夜中でもエクササイズできますね。
多少、足音がしても良い環境の場合は、お相撲さんの真似をして「四股を踏む」の腸腰筋エクササイズとしては理想的。
慣れてきたら、上記の開脚スクワットくらい腰を落とした状態から、高々と脚を上げられればさらに効果絶大です。
四股はハードルが高いと思われる方は、体をひねる体操をするだけでも違います。
踊るように体をひねりながら、膝を曲げて脚を上げます。
テンポの良い音楽に合わせて、踊るように行えば、楽しく続けられるのではないでしょうか。
あくまで体幹。
インナーマッスルを意識して踊ることがポイントです。
目覚めた後の数分間でも、腸を元気にできる!
朝、起きてすぐに軽い運動をする。
そんな習慣が腸を刺激し、お通じのリズムを整えてくれます。
例えば、仰向けに寝たまま膝を抱え、膝とアゴをくっつけるようにグーッとお腹を縮めます。
そのまま、前後左右にゆらゆらと体を揺らします。
特に、左右に揺らしたとき体幹がしっかり鍛えられるのが分かるでしょう。
倒れないようにグググッと力を入れて、腸腰筋を育ててください。
また、仰向けになったまま脚を20センチほど床から浮かせるだけでも、お腹をしっかりと力が入ります。
掛け布団をかけたまま行えば、さらに負荷がかかってトレーニングになるでしょう。
やっているうちにトイレに行きたくなったら、しめたもの。
朝イチのエクササイズが、便の動きを活発にしてくれた証拠です。
仕事中に、移動中に、こっそり体操。
仕事をしながら、ふとスキマ時間ができたとき。
待ち時間をつぶすとき。
椅子に座ったまま、両足を15センチほど床から浮かせてみましょう。
下腹に、なかなかの負荷がかかりますよね。
これも、立派な腸活になります。
辛い人は、まず片足ずつ行ってみると良いでしょう。
腰が反らないように気をつけてください。
徒歩移動の際は、おへそをお腹の中に引き込むような意識で下腹を凹ませ、脚を付け根からでなく、腰の辺りから振り子のようにブンブンと前へ出し、脚が長くなったような意識で大股歩きをします。
前で脚がクロスするとモデルウォークのようで脚は細く見えますが、歩きが不安定になるので真っ直ぐ前へ出すように気をつけましょう。
そして、信号待ちの時はさりげなく踵を真っ直ぐ後ろに上げてキープ。
これもなかなかお腹に来ます。
このとき、膝を曲げてはいけません。
グラグラしてしまう人は、無理をせずどこかに捕まりながら行いましょう。
家で、椅子に手をついて行っても良いですね。
今回は、いつもと少し視点を変えて、腸を元気に動かす筋肉の鍛え方をお話ししました。
筋肉の衰えを防ぐだけでなく、こうした動きが直接腸を刺激して、今ある腸内の老廃物を推し出してくれることにもなります。
毎日行って、快腸な日々をお過ごしください!
次回は、腸活の新常識「短鎖脂肪酸」についてお話ししますね。