第14回 〜未来に投資しよう! 貯菌のススメ。
突然ですが「ちょきん」、してますか?
老後の蓄えとして大切な「ちょきん」には、
お金を貯める「貯金」に加えて、
寝たきりにならないよう足腰を鍛えたり、血流を司るふくらはぎなど筋肉を鍛える「貯筋」や、
乳酸菌を体内にしっかり増やして腸内環境を整える「貯菌」も重要だと言われています。
「貯筋」と言えば、ジムに通ったりダンベル体操をしたりといったトレーニングがイメージしやすいですが…
では「貯菌」するには何をすれば良いのでしょうか。
今回は、日々の健康づくりと健やかな将来のために、『今からできる貯菌法』を学びます。
健康寿命は、実際の寿命より10年も短い。
人生100年時代と言われています。
男女差はあれど、100歳まで生きること、100歳を超えて生きることが現実になっている現代。
医学の進歩で長命になったのは素晴らしい事ですが、せっかくなら好きな本を読み、好きなものを食べて長生きしたいですよね。
「健康寿命」という言葉がありますが、これは「医療や介護に頼らず生活できる」状態のこと。
旅行や習い事を楽しめる、理想的な時間です。
けれど、お仕事をリタイアし、いよいよのんびりと老後を楽しもうと思ったら、病気の治療や介護が必要になり、お金も時間も体力も、みんなそちらに取られてしまうとしたら…。
実際、今、健康寿命は平均寿命より10年も短いのです。
つまり、私たちはおおむね、平均10年は医療や介護に頼りながら終末を生きなければならないということ。
医療や介護に頼る時間をなるべく短縮し、できれば生涯を通して健康で過ごすためには、何をいちばんにケアすべきでしょうか。
多くの人が「脳」「足腰」と答えるところですが、私たちは、もっとも重要なのは「腸」だと考えています。
腸は、全身の健康に大きな影響を及ぼす要の器官だからです。
腸は、食べたものから必要な栄養を吸収する役割はもちろん、血糖値を正常化したり、糖尿病など生活習慣病を予防したり、脳血管系疾患を予防したり、免疫力を上げてあらゆる病気やアレルギーから体を守ったりといった身体面の健康に直接貢献しています。
さらに、「ハッピーホルモン」と呼ばれるセロトニンの約90%を分泌して、心を落ち着かせ、気持ちを安定させてくれるのも腸。
健康寿命も人生の幸福感も、あなたの腸の元気次第というわけです。
菌は腸に留まらないのに、なぜ貯菌が有効なの?
コラムの第一回目「知ってるつもりで意外と知らない乳酸菌」でもお話ししましたが、私たちの腸内にはもともと住んでいる先住菌がいるため、食べ物やサプリメントでいくら乳酸菌を摂っても、その乳酸菌が腸にとどまって住み着いてくれることはありません。
ですから、「貯金」と違って、「貯菌」は毎日摂り続けなければあまり効果がありません。
そんなの無意味じゃないのかなぁ、
やってもやらなくても大差ないんじゃないかなぁ、
と思われるかも知れませんが、実はそんな毎日の継続が、本当にとても重要なのです。
腸年齢って聞いたことがありませんか?
脳年齢や血管年齢のように、私たちの腸にも、実年齢より若々しく元気な腸や、衰えて老化した腸があるのです。
毎日の貯菌は、この腸年齢を若く保つことに費やされるのです。
腸が若ければ、当然ほかの内臓や血管も若くなり、それに伴って肌も若くなります。
そして、脳も若くなります。
なぜ腸が脳年齢まで左右するのかは、第7回「大腸活、してますか?」に、脳ももともと腸が進化したものというお話を詳しく書きましたので、ご参考になさってくださいね。
貯菌とは、つまり、毎日摂ればその数が増えるというものではなく、毎日摂ることで心と体をトータルで元気に若々しく保ち、「病」や「衰え」という負の貯金を作らないようにするために行うことなのですね。
貯金も貯菌も、コツコツ。やり方はカンタン!
何度も繰り返しお伝えしているように、腸の健康を守っているのは、腸内細菌です。
わたしたちの腸には多種多様な腸内細菌が約3万種類、約1000兆個以上住んでいて、腸内には「腸内フローラ」と呼ばれるまるでお花畑のような群生をなして生きています。
中には善玉菌と悪玉菌、日和見菌がいて、善玉菌が優勢なら免疫もしっかり働き、食べ物の消化・栄養の吸収もスムーズで、ビタミン類をきちんと合成し、そして幸福感を覚えながら生きていられます。
悪玉菌が優勢になると、日和見菌も一斉に悪玉菌に寝返り、それらの機能を低下させます。
ですから、わたしたちは、毎日つねに善玉菌が優勢な状態を維持するよう、善玉菌の代表である乳酸菌を取り入れ、そのエサとなる食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂取する必要があるのです。
それが、今回のテーマである「貯菌」です。
毎日の貯菌を、もっとも手軽にカンタンにできる方法として、乳酸菌のサプリメントを摂ることもオススメです。
特にオリゴ糖、難消化性デキストリンなどのプレバイオティクス(腸内細菌のエサとなってその働きを助ける成分)が含まれるサプリメントを選ぶと効率的。
腸内に持っている先住菌や体質により、補うべき乳酸菌の種類は違います。
誰にでも、必ずぴったりの乳酸菌があるので、いろいろと試してみてはいかがでしょうか。
普段から乳酸菌を摂っていない方は、なかなか毎日摂り続ける習慣を身につけづらいかも知れません。
そんなときは、せめて悪玉菌を増やすお肉を食べた後だけでも、乳酸菌サプリメントを忘れずに飲むと決めるなど、少しずつ暮らしに取り入れてみるのも一つのやり方です。
乳酸菌の多くは胃酸で死滅し、生きたまま腸まで届きませんが、死菌もプレバイオティクスとして他の善玉菌を活性化するという、とても重要な役割を果たしてくれます。
乳酸菌を毎日摂ることは、良いことばかりで悪い点が見当たりません。
まさに、リスクのないクスリかも知れません。
ぜひ、今日から貯菌を始めましょう!